鹿児島選挙違反事件 前時代的な警察と検察 これで処分無しか?

 本当におかしなことが普通にまかり通る世の中になった。全く戦前の特高警察と同じではないか。

 昨日、2003年4月の鹿児島県議選をめぐる選挙違反事件で鹿児島地裁が公職選挙法違反(買収・被買収)の罪に問われた12人の被告全員に無罪を言い渡した。この事件の問題点は判決の骨子にも書かれており、要約すると

@追求的・強圧的な取調べがあったことをうかがわせること。
A元県議の中山被告にアリバイがあり、買収会合に出席するのは不可能であったこと。
B客観的証拠が全く提出されていないこと。

更に社会面記事から奥の事情を私なりに推し量るととんでもない事情が浮かび上がる。即ち、
C既に名乗りを上げていた自民党公認候補3人に中山被告が出馬表明し割って入ったため、無投票当選で息子に地盤を譲るつもりだった県議が、選挙戦となり落選したか、息子に地盤を譲ることが出来なくなった(朝日新聞社会面にはこの県議が落選したのか当選したのか、書いてない)。自分の計画を阻止された県議はその腹癒せに「親子同然の仲」であった県警捜査2課の警部(56)に県議となった中山被告を陥れるために買収事件をでっちあげるように依頼(この部分、新聞では“この県議周辺で不満がくすぶり始めた”という表現)。実際にこの県警捜査2課の警部(56)は特捜班長として当時の志布志署長と(60)とともにこの公職選挙法違反事件を指揮した

 朝日新聞社会面を読むと上記Cが推定できる。新聞が週刊誌のようにここまで書くと言うことは、かなり信憑性があると言うことだろう。

 先日、富山県警強姦冤罪事件のことを書いたが、この事件も日本の警察の後進性を現すものである。「踏み字」に見られる精神的な拷問、最長1年1ヶ月に及ぶ違法な拘置。法律は詳しくないが、通常逮捕では警察48時間、検察24時間の合計72時間が最大拘束時間で、その間に裁判所に拘留請求して認められれば10日、延長しても20日が限度ではないのか。公職選挙法違反くらいで否認すれば1年以上も拘置する実態。こんなおかしなことが通用するなら、他に先にやることがあるだろう。暴力団は微罪でも犯したら50年位拘置するとか。今回のでっちあげ事件を指揮した警部なんかは当然100年位拘置しないといけない

 町のお巡りさんは多分、良い人達が多いのだろう。不祥事の大半は中堅クラスより上の人間達がやっているのだろう。しかし、大切なのはそんなことよりも日本の自浄能力の欠如だ。今回の事件は、検察もおかしい。警察以上におかしいし、責任も思い。証拠が無いのにどうしようと言うのだ。裁判所もおかしい。拘留請求があったらいくらでも認めるのか。

 日本にまともな司法制度が存在しないのは明らかなのに何も変えようとしない当事者達。当事者能力が無い場合、どうすればよいのか。

 今回の件で鹿児島県はどうするのか。警部や当時の署長の責任はどうするのか。これは警察による完全な犯罪ではないのか。俺は見守っていく。

(2007年2月24日 記)

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